自分の制限の外し方:38歳で建築士試験に挑戦した私の場合

自分の制限の外し方:38歳で建築士試験に挑戦した私の場合

 

Artistの
紫乃~murasakino~と申します。
SHI-NO と呼んでくださいね。

主にアクリル絵の具を使い
を描いたり
写真を撮ったり
花を活けたりすることで

本当の自分を表現
人を癒したり勇気づけたりすることを
ライフワークにしています。

 

詳しいプロフィールはこちら

 

42歳で突然アーティストデビュー
する以前は建築の仕事をしていました。

その時自分で年齢の制限をかけている
ことに気が付きこともあろうに
建築士試験に挑戦したお話しを
したいと思います。

最後まで読んでいただいたら
ご自身の制限に気が付き
一歩踏み出す勇気が湧いてきたら
うれしいです。

人はいろいろな制限を知らず知らずに握りしめている

毎日普通に暮らしている
自分が自分に制限を描けていることには
案外気が付かないものです。

何か新しいことを始めよう!
と思った時

『でも・・・』

という一言に続いて
出てくる言葉ってありませんか?

〇〇したい!!!

『でも・・・』

  • 自信がない
  • やったことない
  • 女(男)だし
  • 家族が反対する
  • 周りの人に迷惑かける
  • お金がない
  • 時間がない
  • 学歴がない
  • コネがない
  • 損するかもしれない
  • 失敗するかもしれない etc・・・

でも・・・』の後に
いろいろ出てくることほど
あなたにとって〇〇に入ることは
きっと本当にやりたいことだと思いますよ・・・

今何かに迷って一歩踏み出せない
感じている方は
少しずつ自分が自分にかけている
制限を外すことをしていくと
すーっと道が開けてくると思います。

まずは自分にとっての制限が何か
見つける必要がありますね。

年齢の制限に気が付く

そういう私自身もたくさん呪いのように
自分に制限をかけていました。

アーティストと名乗るようになった今も
まだまだ制限がかかっているのを感じています。

35歳の時建築士免許をとったという70歳の方に刺激を受け

私の制限の一つは年齢でした。

その当時建築会社で務めていたのですが
私は建築の勉強はしたことはありませんでした。

社内に1級建築士はいましたし特に
自分が資格を持つ必要性は感じていませんでした。

以前から一級建築士の方からは
二級建築士受けてみたら?
現場のことはわかっているし
一回で合格できなくても
何回か挑戦すれば合格できるよ!

うちの母親も35歳の時
二級建築士取ったよ!

えっ!?あのお母さんが!

一級建築士の方の実家材木屋から出発し
建築工事を請け負うようになり
建築業の許可を取るために
お母さん受験されたというのです。

それを聞いた時私は38歳
もう年だし今更勉強なんて無理だ!と
決めつけていることに気が付きました。

またその時代に35歳で受験したお母さんて
すばらしい!と感動しました。

建築士試験受験。自分の限界に挑む

それでもお話を聞いたからといって
すぐには動きませんでした。
頭の片隅にある・・・という感じだったのです。

盲腸になり建築士試験受験を決意

その頃激しい腹痛に襲われることが
度重なりました。

近くのクリニックを受診しましたが
MRIまで撮ったのに結果は急性胃炎との
診断で点滴を打ってもらって
落ち着いたのでそのまま帰宅しました。

しかしその後も何日も痛みとだるさに襲われ
我慢を重ねていたのですが
ある日の早朝市民病院に駆け込みました。

辛くて辛くてたまらないのに
原因を調べるため検査に一日がかり

ようやくわかったことは
盲腸ウ・タ・ガ・イ

ウタガイって!!!

手術をしてみて盲腸が炎症していなくても
この手術で盲腸は切ります!との説明でした。

この日は金曜日。様子を見ている間に
あの痛みに再び襲われても土日は手術が
できない
とのことでした。

ちょっと待ってよ・・・手術なんて
思ってもみなかったし・・・そんな・・・
いきなり手術って・・・しかも・・・
盲腸じゃないかもしれないって・・・

でもとにかくこの苦しみから逃れたい!

「手術お願いします」
そうせざるを得ませんでした。

 

お腹を開いてみて先生もびっくり!
しっかり虫垂炎でしかも破裂しかけていたのです。

あのまま様子を見ていたら
盲腸は完全に破裂し、腹膜炎を起こしていたら
命さえ危うい状態になるところでした。

最近の盲腸の手術は数日で退院できるそうですが
私は10日程入院しました。

退院してからもすぐに現場に復帰することが
できません。

それで、この時間がもったいないし
建築士試験を受けてみようかなあ。
とふと思ってしまったのです。

あんなに辛い日々が来るとは
この時はつゆ知らず・・・

そしてこの挑戦
自分の年齢という制限を外すための挑戦
位置づけました。

38歳でもやれることを自分自身に
証明してみたかったのです。

独学で学科試験

建築士資格の受験対策で多くの方は専門学校に通うのですが
なるべくお金をかけずに勉強しようと思い
独学で挑むことにしました。

用意したのは過去問一冊の参考書のみです。
学科は建築計画法規構造施工
4科目あります。

一級建築士の方は建築用語とか耳で聞いてるし
現場でもやってるし大丈夫だよ~
と、さも簡単そうに言うので

なんとかなるだろう・・・

甘く考えていたのですが
とんでもない!!!

建築基準法から建築の歴史から現場の細かいことまで
全般にわたっています。

一番私を悩ませたのは
構造の力学など理系の内容でした。

なるべく理系から離れて生きてきたのに
ここにきて直面させられるとは!!!

問題集片手にわかりそうな人に聞きまくって
何とか理解を深めました

そうしておかげさまで学科試験パスしました。

製図試験の限界

7月に学科試験、8月に結果発表があり製図の試験は
9月でした。

それまで仕事で間取りを考えたり図面を描いたりは
していましたがCADを使っていました。

しかし製図の試験ドラフターという絵を
描く時の画板に上下に動く定規を付けたような
専用の製図台を使い
手書きで図面を描かなくてはいけません。

何で今時手書きでやらなければいけないのか
意味も分からなし
当然やったことがありませんでした

もう、これは専門学校の力を借りなければ無理だと
判断して入校しました。
その金額およそ40万円

試験までの1ヶ月半毎週名古屋の学校まで
片道一時間半以上かけて通いました。

朝9時半から授業は始まり夜10時頃まで学校に
缶詰状態です。

担任の先生はいらっしゃいますが
カリキュラムはビデオをみながらテキストに忠実
進んでいきます。

全く無駄のない内容で授業についていくのに
必死です。

休憩時間もやりきれなかった内容を済まさないと
雪だるま式にやらなくてはいけないことが
増えていきます。

わずかな時間でお手洗いに行きをみて
ぎょっとしました。

鎖骨の下から胸のあたりまでオレンジ色の
ブツブツがびっしりです。

痛くもかゆくもないのですがたぶん
ストレスからの反応だと思いました。

授業が終わっても
課題を先生に添削してもらったりしていると
這うようにして家に辿り着くのは夜中の12時前

そこからぼそぼそと夕飯を済ませ
布団に入るのは1時過ぎ翌日は仕事です。

そして翌週までの課題がたんまりと渡されています。
一つの図面を完成させるのに
3時間前後かかるんですよ!!

それを翌週までに何枚描いていたか
もう記憶もありませんが
描きおわった図面を数えたら35枚ありました。

製図試験への挑戦は
明らかにあらゆる自分の限界に挑むものでした。

ちょっと頑張る程度ではとてもとても
越えられない大きな壁でした。

試験当日

多目的スペースのあるコミュニティー施設

という課題で5時間の制限時間内に
指定された条件に合わせその場で設計内容を考え
製図をします。

一つの課題に対して5時間って長いように
感じるかもしれませんが
複雑な設問を読み解いてその条件にあった
図面を考え仕上げるにはむしろ
足りないくらいです。

専門学校の先生から
「私が教えた5年間で一番課題をこなし
宿題を提出してくれた」と言ってもらえるくらい
頑張って図面を仕上げられるようになっていたのですが

最後は時間が足りなくなり急いで描いたので
今までで一番仕上がりが美しくないものに
なってしまいました。

合否の判断で同じレベルの人が2人いて
どちらか一人落とさなければならないとすると
最後は図面の美しさになるとのことでしたが
そんなことは言ってられません。

最後まで描き終わらないことには
採点もしてもらえませんから・・・

試験が終わると会場とは別の場所で
5時間かけて描いた図面を再度別の用紙に
再現します。

提出した用紙は二度と手元に戻ってこないので
専門学校の先生に後日採点してもらうための
図面を描き起こすのです。

私はこの作業は家に帰ってからにしようと思い
帰宅しました。

試験も終わってやれやれ、しかし
記憶があるうちに図面を描かなくては・・・

すると、重大なミスを発見してしまいました。

ガーン!!!

 

 

もうだめだ。

 

あんなに頑張った努力も水の泡

試験官がどう判断するかわかりませんが
自分では落ちたと確信していました。

専門学校に入るお金を出してもらったり
仕事中も課題をやらせてくれて協力してくれた
社長に顔向けができません。

「どうだった?」

と聞く社長に

「たぶん落ちたと思います・・・」

と私。

 

そのあとの社長の言葉に涙が出ました

 

「もしかしたら一回で簡単に受かるより
あなたの人生にとってはこれだけ一つのことに集中して
しかも挫折をする
という経験は何物にもにも変えられない経験になると
思うよ。人は経験したことしか身に付かないからね」

と言われたのでした。

結果発表

それから3ヵ月後合格通知が届きました。

「えっ!?合格??」

信じられませんでした。
すっかり落ちたつもりでいたのです。

どうして合格できたかというと
この年は試験の内容が変更されたことが原因でした。

今までの年よりレベルが上がっていたのです。

そのため私がミスした個所より
もっと重大なミスをした人が大勢いたようです。

建築士試験というのは
何点以上なら合格というものではなく
上位何パーセントを合格とするというのがあるので
難しかった分相対的に合格点が下がったようでした。

逆に言うと課題が簡単な年は
みんな正解の図面が描けてしまうので
ほんのちょっとのミス図面の美しさという差で
合否が分かれてしまうようです。

なにはともあれ 挫折という貴重な経験をすることは
できませんでしたが
年だからやれないという自分の制限を外すことには
成功したのでした。

年齢の制限をはずして得られたこと

年齢でイメージを決めつけ
やらない理由にすることが少なくなったと思います。

何歳からでも挑戦できる。という経験が42歳で
アーティストとして自分を表現するという選択肢にも
つなっがっていったのかもしれませんね。

でも、まだまだ制限を持っているのでそれを
表現者として進んでいく過程で少しずつ外していき
本当の自分に近づいていくのではないかと感じています。

 

ここまで読んでくださり
自分の中にある制限を見つけ
外してみたいと感じた方へ。

建築士試験本当に大変でおすすめできないので
ほんの小さなことからいつもとは違う選択をすることで
その後の人生がかなり変わってくると思いますよ。

何かをしようと思った時
引き留めるものが出てきますから
それがあなたの制限です。

普段は影を潜めていて気が付かないですが
新しいことを始めようとする
ひょこっと顔を出すのです。

その時がチャンス!

なるべく芽が小さいうちに摘み取りましょう・・・

私のように制限が大きくなってからでは
大変です。

今、何か人生が思うように進んでいないな。
と感じている方は無意識に制限をかけている
可能性が高いので制限が何なのか
自分と向き合う時間を取ることをお勧めします。

無心になって絵を描くのもおすすめですよ!

 

ちなみに私の作品はこちら

 

まとめ

  • 人は知らぬ間に自分に制限をかけている
  • 制限に気が付いたら実際に制限を壊す挑戦をする
  • 制限が強固になる前の小さなうちになるべく摘み取る習慣をつける
  • 人生がうまく進んでいないと思ったら制限の存在を疑い探す

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